2010.03.12
皇位継承問題について

チャンネル桜にて皇位継承問題に関する討論が行われました。テーマは皇位継承問題で、主として女系天皇容認の是非です。
YouTube上に動画がアップロードされているので、興味がある方は是非見ていただきたいと思います。

6名の方がパネリストとして参加され、女系容認論者として、笠原英彦氏、小林よしのり氏、高森明勅氏、
男系絶対(女系否認)論者として、小堀桂一郎氏、新田均氏、百地章氏が参加されました。
司会はチャンネル桜の代表である水島総氏で、彼も男系絶対論です。

さて、討論の内容についていくつか私見を交えてまとめてみたいと思います。

1.皇位継承問題の理想的解決策

実は理想的な解決策は討論の前半で新田氏より示されています。
つまり、第1段階として、皇室典範を改正し、旧皇室典範に規定されていた皇族会議(*1)を復活させる(成人した女性皇族を含めることは要検討)。次に第2段階として、皇族会議の決定に従い皇位継承にかかわる皇室典範の改正を行う、という2段階の改正手続きを踏む案です。

皇室に関わる制度について、一般国民があれこれ議論すること自体が恐れ多いという風潮が、皇位継承問題の解決を妨げる一因になっていると思います。皇位継承に関することについては、どこかの学者や無知な国会議員が決めるのではなく、御皇室の方々に決めていただきたいと私も思いますし、番組の中でも反対する人はいませんでした。

結果としてどのような継承制度に改正するにせよ、多くの国民にとって最も納得のいく方法ではないでしょうか。

この方法について高森氏は「目から鱗が落ちる大切な御提案」と認めていますが、現状は憲法と絡めて実現が難しいと言っています。この方法については番組中であまり時間が割かれず、何故難しいのか分からなかったので、少し調べてみました。
まず、日本国憲法第2条に

第2条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。


とあります。
戦前日本の成文憲法は形式上、大日本帝国憲法と(旧)皇室典範の2つで構成されていて、皇室に関する規定はすべて皇室典範で規定されてました。改正についても旧皇室典範第62条に

第62条 将来此ノ典範ノ条項ヲ改正シ又ハ増補スヘキノ必要アルニ当テハ皇族会議及枢密顧問ニ諮詢シテ之ヲ勅定スヘシ


とあるように、大日本国憲法とは独立した改正規定が存在していました。
しかし、戦後の日本国憲法下では皇室典範は憲法ではなく法律として規定されています。そのため、「皇室典範の改定は皇族会議の結論にしたがって勅定する」というように、国会の決議を必要としない改正規定に改めることはできません。

したがって、皇室典範の改正を勅定によって可能とするには憲法の改正が必要であり、憲法改正をしないのであれば皇族会議の意見をもとに国会の議決を経るというような形式で改正するしかありません。
後者の場合、皇室会議の決定を国会が否決することが可能なので、皇族会議の決定が法律として制定されるかはその時の国会情勢に大きく左右される恐れがあります。

個人的には、憲法改正はすぐには無理だとしても、皇族会議の復活は十分可能だと思います。なぜなら、政権にとって最もデメリットの少ない方法だからです。

皇位継承の問題について時の政府が決めようとした場合、どのような方法であっても反対意見は上がり、政治問題化は避けられないでしょう。政権に対する強固な反対票を、この一点のみを理由に投ずる層も出てくることが予想されます。また、継承の方法によっては、皇位の正当性について国民の総意が得られず、国民が大きく分断される事態も想定されます。つまり現状、政府としてはあまり触れたくない問題で、できれば先送りを考えているのではないでしょうか。

一方で、皇位継承の方法について皇族に委任した場合、どのような結果になっても大きな反対にはならず、国民に受け入れられることが予想されます。例えば、女系容認について現在反対しているのは保守派の方々ですが、彼らも皇室の結論ならば受け入れるはずです。また、旧皇族の皇籍復帰でも、今上陛下や皇太子殿下、秋篠宮殿下などから直々にお願いされれば、受け入れる人は増えるのではないでしょうか。少なくとも、政府による要請よりもは受諾の可能性が高くなると思います。

やはり、「皇室のことは皇室に任せ、我々は結論を粛々と受け入れるのみ」が一番良いのではないでしょうか。

1/9【討論!】皇位継承問題を考える[桜H22/3/6]
http://www.youtube.com/watch?v=2wiTXE3qCEE&feature=related


*1 皇族会議:旧皇室典範に定められた機関で、枢密院と共同して摂政を設置することが主要な任務であった。
旧皇室典範 第11章 皇族会議
第55条 皇族会議ハ成年以上ノ皇族男子ヲ以テ組織シ内大臣枢密院議長宮内大臣司法大臣大審院長ヲ以テ参列セシム
第56条 天皇ハ皇族会議ニ親臨シ又ハ皇族中ノ一員ニ命シテ議長タラシム
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